「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
ほろ酔い気分で葵x葛書きます。
さすがにパロだけでは・・・・・・寂しいので・・・・・・。
ツイッターの皆様のようにもっとたくさん葵x葛考えたい! 皆様素敵過ぎる! とここで書いてみる。本当に夜襲フォロワーの皆様、マジ、マジ・・・・・・すごいです。
あっ以下の短文はちょっと下品です。いつものようによくわからないです。
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"イエスタデイ・ノイズ"
彼は抵抗しなかった。
光のない部屋の中で、彼は静かに息をする。
何をしているんだろう、とぼんやり思った。自分のことではない、彼のことだ。中国の強い酒と湿気を多分に含んだ空気にあてられて、葵は彼を組み敷いていた。特に何があったわけでもない。任務で疲れたまま酒を飲んだのも、珍しく彼が自分より早いペースでコップを空にしていたのも、そのせいでいつも現実を冷たく見つめている彼の瞳が僅かに揺らいで虚を見つめていたのも、関係ない。
強いて言えば、その虚ろな瞳を、今日の任務中製造されてしまった死体に向けていたことが、関係あるだろうか。嗚呼、支離滅裂だ。酔っているのかもしれない。ただ、今の自分にはあの景色が原因のような気がしてならなかった。寂しくて仕方なかった。
彼の手首に這う指に、力を込める。彼は眉一つ動かさなかった。ただ一言、やめろと言った。感情の見えない、強制力だけに特化した声音だった。
そんなに怒らなくても。
「力を使えば逃げられるだろう」
簡単に。
「こんな下らないことに使えるか」
彼は語尾に怒気を灯し、ぎりと葵を睨んだ。唐突な感情表現に戸惑う。その感情の根源に思い至り、葵は眉をひそめた。彼は極力、能力を使わない。彼は自分の能力を嫌っている。
「下らない?」
こめかみあたりが、ちりりと痛んだ。
この状況が、下らないというのか。
確かに軍人として正当な教育を受けてきている彼にとっては、葵をどかすことなど動作無いだろう。わかっている。
だが、彼が言うのはそういう意味ではないのだ。
底にあるのは過去の自分への執着なのだ。
「いつまで引きずるんだよ」
葵は唇だけで笑った。
彼の体に力が入るのを感じた。皮膚の、下で彼が身構えたのがわかった。
何故か自分はイラついている。
「もう戻れないって、分かってるだろ」
何故自分は彼の傷をえぐっているのだろう。
過去に拘泥しているのは、自分も同じだというのに。いや、自分のほうがひどいのかもしれない。彼は過去が取り戻せないことを、自分が歩むはずだった道を夢想することがただ虚しいだけと知っている。だから、過去にこだわる。自分は、まだ過去を諦めていない。どこかで何かを信じている。
無駄だといくら言い聞かせても、削り取れない何かが。
このまま、戻れないところまで行ってしまえば、諦めがつくだろうか。
「戻れないんだよ」
暗い部屋に、二人きり。
呼吸は合わない。
end
そういえば葵って、葛の過去のこと知ってるんだろうか・・・・・・なんか知ってる雰囲気の気がするんだが。そこもまた再考せねば。
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