「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
ネタは熱いうちに打て。
拍手お返事たまっていてすみません><
次こそは!
ちょこっとしたネタが頭にふと浮かんだので、書くことにします。
あんまり長くない。
BGM:「ワールズエンド・ダンスホール」をエンドレスリピート。
やっぱりこの歌、すっごい好きだなぁ。
あー、helplessってタイトルで文章書きたいなー。
青山真治監督の、「helpless」って小説(同名の映画を自ら小説化したもの)があるのですが、それの絶望感・喪失感・そして暴力の乾いた感じがすごいのです。すっげー気持ち悪いんだよなぁ。正直、途中吐き気がした。
あれはなかなかすごい小説だった。
ああいう、人に何かしらの衝動や激情や、もしくは動揺を与えられるような文章を書いてみたいものです。
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"world hapless"
いっそ世界を壊してしまおうか、と彼は言った。
まるでダンスのステップを踏むようにくるりとこちらを振り向いて、軽快な足取りで私のところまで寄ってきて、子どもが浮かべるような明るい笑顔で、彼は口元についた傷をぬぐってくれた。
今日の特務の途中でついたものだ。別に危なかったというわけではなく、ただ単純に物が当たっただけである。痛みはあまりなかった。
「全部捨てて、全部壊して、二人で逃げてしまおうか」
傷をぬぐったその指には赤い血がついていた。彼はそれを無造作にシャツで拭くと、歌うように上機嫌な声音で、俺の能力(ちから)ならどうにかなるよとはにかんだ。
「たった数分だけれど、心臓を止めれば脳を破壊すれば脆い人間を殺そうと意識すれば、何人殺せるかわからない。そうしてお前が苦しむこともない世界に逃げるんだ」
冗談にしては赤い色が多すぎる話を彼は続けた。
おそらく自分はひどく無表情だ。
「そしてお前はそのまま完璧であればいい。全部俺がやっておくから、お前はついてきてくれるだけでいいよ。それで何でもできる気がするんだ」
疲弊。
その一言で彼を片付けてしまってよいものだろうか。日々の仕事が彼を徐々に疲弊させ、すり減らし、その心にそっと悪意を口付けた、それだけの理由で彼を語ってよいのだろうか。
「どうする、葛?」
彼は、笑った。
それは昨日見たような、いつもと変わらぬ笑顔だった。
「俺についてくる?」
世界の終末まで、と彼は格好つけた言葉を吐いた。
一瞬の沈黙を楽しんで、嗚呼、と頷こうとすると彼は自分の人差し指をこの唇に当てて、答えるなよと目を細めた。僅かに覗く瞳はひどく冷たかった。
「嘘だよ」
「狂うのは俺だけでいいんだ」
いっそ世界を壊してしまおうか、と彼は言った。
お前のために、と彼は続けた。
”・・・・・・そしてしばし鉛色の沈黙が流れた後、あなたは本当に狂ってしまわれたのですか?"
――「helpless」より
何が書きたかったんだっけ。
うにゃー?
逃げる? と提案する誠二さんと、逃げないって答える市ノ瀬も書きたい気がする。
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