「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
冷静に考えればひっでぇもんかもしれん。
途中から自分に酔っていると思う。怖くてよく見直せなかった。
ブラック葵って需要あるのかね、と言ったら案外盛り上がってくれたので、バイトしてるときに降臨してきた、「愛は同情で装うことができる」という文章を組み合わせて、ちょっと悶々としていました。
※暗いです。
※いつも以上に気持ち悪いです。
※葵はひどい男です。葛たんをいいようにもてあそぶなんてっ・・・・・・!
※でもそれに何も言わない葛たんもひでぇ。
※っていうかなかつの頭がひでぇ。病気だ。
えっと、苦情は受け付け、ません・・・・・・よ・・・・・・?
っていうかこれを書いている間、ずっとあきとさんが絵茶で神ネタを投下していて、どうすればいいのかわからなかった。
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"i love you, the colorful world."
「愛してる」
彼の体を抱きしめてそう囁くと、ベッドのスプリングがきしんだ。たった五文字の音なのに、彼は何故、俺の背中に回った腕に力をこめたのだろう。その言葉に中身があるなんて、本気で考えているのだろうか? 彼の首筋に顔をうずめた。ぴくりとこわばった体に笑みを浮かべて、白い首に口付ける。その笑みが所謂嘲笑であることを、優越に満ちた笑みであることを、彼は知らない。何故なら彼から俺の口元は見えないからだ。視界の外にある「セカイ」も、「世界」には違いないのだ。彼にはそれが見えているか。否。彼は、視界の中の世界しか見ない。見えていたら、こんな俺にこうして付き合ってくれるはずがない。
俺の動きに、彼の荒い息遣いが重なる。かわいそうな男だな、と思う。好きだ、とか愛してる、とか、そういう夢みたいな言葉をつむぐ。心のうちには同情しかない。この言葉は同情の言葉だ。俺みたいな男に犯されて、かわいそうに。何も気付いていないんだね。微笑。
愛は同情で装うことができる。
愛は金に換えることができる。
彼が俺の偽名を呼んだ。
海外から帰ってくると、婚約者が死んでいた。婚約者の名前の彫られた墓があった。俺は彼女のために泣いたし、もちろん彼女を愛していた。そして彼女の実家から金を渡された。
俺が何か言う暇もなく、金は、同情の色を目に宿した使いの者から、押し付けられた。いらない、と言っても、彼はお気の毒にと言って残念そうな顔をするだけだった。金と二人きりにされた俺は、嗚呼、金に換わってしまったと思った。彼女に捧げた愛が、こうして、金に。俺は笑ったかもしれない。よく覚えていない。
それからすぐに、俺は笑うことができた。
表面上は冷静を保つことができた。誰もが俺のことを心配したが、誰もが俺のことを君らしいと言った。泣いてたって、何もいいことないよと俺は言った。そうだね、と誰かが答えた。泣いてなくなって、何もいいことはないよと俺は心の中で言った。そうだね、とは誰も答えなかった。
人間なのだから、仕方ないと俺は思った。装い、偽り、表だけを、表面だけを見て生きることができる。それが人間なのだ。中身まで見ていたら、複雑すぎて目が回ってしまう。気持ち悪すぎて嘔吐してしまう。人間は、全て知るには複雑になりすぎた。全て見るには心を複雑に作りすぎた。
一瞬、彼の顔が苦痛に歪んだ。彼のことは考えず、一方的に、半ば強引に犯しているのだから仕方ない。それでも彼は何も言わない、怒りはしない。馬鹿なのかと思う。馬鹿なんだろ、と聞く代わりにごめんねとつぶやいた。好きだから、好きだから仕方ないんだよ。そう言って、彼の髪を撫でた。彼は薄く微笑んだ。嗚呼、本物の馬鹿だなと思った。俺にはわかる。彼は、生きることに失敗した。
彼は、世界が装飾に満ちていると気付いていない。装飾を装飾と知りながら笑うことこそ、生きることだというのに。彼は俺の言葉を、世界の言葉だと信じている。それが真実だと思い込んでいる。それは彼が内に閉じているからだ。彼は自分を閉ざしている。その結果、見えるのは自分の心だけだ。自分で自分を偽っても意味がない。彼は偽りを知らない。おそらく。俺が偽りをまとっていることを知らない。彼は、閉じた世界に入ってきた俺を、同じようにありのままの姿なのだと信じている。嘘だ。世界はそんなに美しくない。世界なんか見捨てた顔して、己なんか汚いって顔して、彼の本当の心は何より澄んだままだった。
俺に心を開く彼を見て、それに気付いた。
そして俺はそれに同情した。何も知らないんだね、かわいそうに。そうして口元に浮かぶ笑みは苦笑というより嘲笑に近い。俺は彼と違って、生きることを知っている。生きることに成功している。欺瞞の中で笑うことができる。彼の澄んだ目を、見下ろすことができる。
彼は、好きだと言えば許してくれる。
誰も、許してなど頼んでいないのに。
「なぁ、葛」
何かを壊すように、乱暴に犯されても彼は俺のことを見ていた。
「愛しているよ」
騙しているよ。
「好きだよ」
うそだよ。
「ごめんね」
ごめんね。
「葛が、あまりに可愛いから」
君が、あまりに愚かだから。
もう少し、嘲笑わせてくれないか。
彼は、眉をひそめて苦しそうな顔のまま、必死に、微笑んだ。
知っている。
俺は、笑ったふりをして、嘲笑った。
そうでもしないと、彼の目に耐えられなかったから。
葛。お前は生きることに失敗してるんだよ。なあ、こうして俺にいいように犯されて、俺だけが気持ちよくなって、それで終わりなんだよ。だからもう、許さなくていいよ。俺のことはもう見るなよ。
嗚呼なのに何で、俺は彼を見返して、いるのだろう。
見なければ言いだけの話なのに。
俺は俺を、笑った。
(この「愛」は偽善と同義である。)
例えば装飾過多なこの世界で。
(この「愛」は「哀」と同義である。)
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i hate you, the colorful world.
にゃーん以下、葵語り!
ブラック葵! おいしいよね! 本当はもっと病んでる葛たんも書くつもりだったんだけど(ブラック葵×病んでる葛たんが好きです。大好きです。)、あんまり出せなかった。
葵は、やっぱり静音が死んで、傷ついたんじゃないかと思うんだ。考えていることは大人でも子供みたいに人生楽しめる、そんな彼の心に傷がついたというか。その傷が進行して上の文章のようになったのではないか。
私のブラック葵像はそんな感じ。
帰って来い、ホワイト葵。
でも普段はホワイトな葵がたまにブラック発動、それもおいしい。
皆さんのブラック葵ネタ、ブラック葵像を教えてください。←
でも私のジャスティスは自己嫌悪葛。
今回あんまり自己嫌悪してないね、葛たん。違うか。自分はそれくらいでいい、遊ばれるくらいでいいって思ってるのかな。えっなかつの頭重症! 知ってる!
ごめんなさい、本当にごめんなさい。
ちょっとテンションが低くてカオス。
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