「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
まず、7月11日に七星さんからいただいた質問をお答えしますね。
これはちゃんと言っておいたほうがいいと思ったので、この場でお答えします。
夜襲イベントレポに書いたキャラの本名ですが、
葵=惣一郎は、吉野さんが「俺は惣一郎って漢字だと思うんだよね~」的なことをおっしゃっていました。公式かどうかはわかりません。
雪菜=節子は公式です。プロデューサーが言っていました。はい。漢字もこの通りだそうです。
ええと、続きから市ノ瀬SSですね。(※R-15です)
葛たん好きな方は読むことをお勧めしませんwwwwww
っていうか市ノ瀬どれだけ美化してるの私wwwwww
市ノ瀬、だいぶ好きかもしれないwwwwww
書きたかったのとなんか違う。
もっと葛たんのえろたくさん書きたかったんだけど。
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世界とか他人とかそんなものはとうに見限っているのに、何故ぼくはここにいるんだろうと考えてみる。
すぐにどうでもよくなった。
やっぱり哲学は苦手だ。
答えがはっきりしてこない。
嗚呼またぼくの中に、新しい式が。
"世界は公式で出来ている" (R-15)
そうだ。それがいい。ちょうどいい。
彼がいないかと建物の中をうろつきながら、白衣のポケットに入った小瓶を指先でもてあそぶ。本当はこんなことをしている暇があれば、"あれ"の設計を進めるべきなのだろうけれど、自分にそんな小言を言ってくるのは高千穂元大尉くらいだ。彼に会わなければ平気だ。そして彼は今日、どこかへ出掛けている。つまり何をしようと大丈夫。
と、無効から少し顔に影を落とした男が、うつむきがちに歩いてきた。ああ、なんて素晴らしいタイミングで。
「いた」
市ノ瀬は彼に近付くと、さっとその腕をつかんだ。
「伊波・・・・・・何だったかな」
「・・・・・・葛です」
突然腕をつかんできた自分に警戒を隠そうともせず、黒いスーツに身を包んだ男は張り詰めた声を発した。そうそう伊波葛、と彼の名前を呼ぶ。高千穂元大尉は彼に何かしらの執着を抱いているようだが、市ノ瀬にとってはどうでもよかった。苗字を覚えていただけでも感謝して欲しい。はなから覚える気などなかったのだから。
「ちょっと君に用事がある」
そう言うと、伊波はあからさまに眉をひそめ、こちらをにらんできた。市ノ瀬はそれを少しも気にすることなく肩をすくめ、ポケットに入っていた小瓶を取り出した。中で液体が揺れている。伊波は緊張を戸惑いに変化させた。わかれよ。悟れよ。市ノ瀬は数秒で苛立ちに耐え切れなくなり、彼の首をつかんで、思わず僅かに開いた口に瓶の中身を無理やり流し込んだ。手のひらの向こうで、ごほ、と咳き込む感触。むせるのも構わず、とりあえず飲ませた。端から垂れる液体を無感動に眺める。もったいないな、と思った。どれくらいこぼれても平気だっただろうか。少し余分に作ったから、効かないというわけではないだろうけれど。
ひゅーと苦しそうに呼吸の音を鳴らして、伊波は市ノ瀬の手を振り払った。
「な、にをっ・・・・・・!」
「だから用事があるんだって。人の話を聞けよ」
振り払われた手を再びつかみ、ぐいと引っ張る。未だ苦しそうな顔をしたままの伊波は簡単によろけて市ノ瀬の後をひきずられる形になった。しばらくして彼は抵抗しようと試みたようだが、手に力を入れると先ほど飲ませたものが効いてきたのか、結局ずかずか歩いていく市ノ瀬についてきていた。腕時計で時刻を確認する。飲ませてから約5分。即効性は充分。自分でつくったそれのできに、市ノ瀬は満足げな笑みを浮かべた。
建物の端の方、めったに市ノ瀬さえ来ない倉庫代わりになっている部屋のドアを開けて、伊波葛を投げる。
「ほら」
部屋の中は薄暗い。明るいほうがよく見えるのだが、そこはきっと彼らにも後ろめたいところがあるのだろうとしぶしぶ理解してやった。部屋の中にいるのは高千穂についてきた中隊の奴ら、数人だった。伊波が立ち上がろうとしたところを踏みつけられて、再び床に倒れる様を、市ノ瀬は無感動に見ていた。壁際に置いてある箱の一つに腰掛ける。足を組んで、ただ目の前の状況を眺める。
"あれ"に息詰まって、暇つぶしに学術誌を読んでいたらちょっと面白い快楽についての脳科学の論文を見つけたので自分も何かやろうとごちゃごちゃ思考を進めた結果、所謂媚薬らしきものが出来てしまった。自分としては、快楽と苦痛、それぞれを感じる脳の領域の関係性を知りたかった。誰かに試してみようかとぼんやりしていたら、そこにいる男どもが伊波について生意気だとかなんだとか、一回思い知らせねばならんとかなんとかこぼしていたので、話に乗ってやった。こんなもんできたんだけど、使う? と笑いながら話してやったら、あいつらも笑いながらうなずいた。その眼が妙にぎらぎらしていたのが気持ち悪かった。それではこの液体を飲ませた伊波を連れてきてやるから、その代わり自分も同席させてくれと申し出ると、途端に彼らは表情を曇らせた。大丈夫、見るだけだ。何度かそう言って、ようやく受け入れてもらえた。ああ、何故皆、何度も説明しないと自分の言っていることが理解できないのか。嫌いだ。馬鹿だ。阿呆だ。死んでしまえばいいのに。死人に説明するほうが、よっぽど楽だ。黙って、口も挟まず話を聞いてくれる。
あいつら死なないかな、と伊波を組み伏せた彼らを見下しながら考える。
おそらく普段の伊波ならば彼らを投げ飛ばすとか、適当にあしらうとか、そういうことが出来て逃げられるのだろうが、自分が飲ませた薬が効いているのだろう、荒い息を繰り返すだけだった。他の人間がその体に触れるたび、びくりと震える。神経伝達物質あたりに細工をしたので、触られるだけでもなかなかのものだろう。伊波が殴られた。男の方は興奮している。
快楽に人が飲まれる様を見たかった。
だから、彼らの話に乗った。
ついでに言えば、伊波はまじめで自尊心がありそうだから、その自尊心を粉々にされる様を見てみたかった。人間の精神が崩れゆく様を見たかったのかもしれない。媚薬によって得られる快楽と、精神に与えられる苦痛、その両極端におかれる人間の様子を見たかったのかもしれない。人間の精神はまだ、理解できない。数式にできない。もどかしい。何かしらの法則が見つかれば、理解できるのに。予測できない事象も存在も嫌いだ。
法則を見つけるためには観察せねばならない。様々な視点を総合させて、その中にある共通項を見出さなければならない。しかし、周りにいるのは堅物の軍人ばかりである。彼らを観察していても偏った視点しか、偏った言動しか観察することができなかった。ならば、自分で作り出すまでだ。普段にはない状況を作り出し、観察する。そうすることで人間の本質に近付くことができるはずだ。伊波は性器をくわえさせられていた。多分、彼らに自分はもう見えていない。伊波は肩で息をしている。男の手が伊波の体を撫でる。その光景を、市ノ瀬は眉一つ動かさず見ていた。少しして、口から性器を引き出される。唇の端から白いものが垂れる。先ほど、薬をこぼしたあの伊波を思い出した。どうだ、苦しいのか、と市ノ瀬は心のうちで呼びかけた。
そして気付いた。
「つまらない」
冷静に伊波を犯す男と、男に犯される伊波を見ていた市ノ瀬に人間らしい表情が浮かんだ。それはやはり苛立ちであった。ああ、苛々してばかりだ、この世界に。
市ノ瀬は、無理やり犯されて精神をずたずたにされる伊波を見たかったのである。
だが彼は。
「楽しんでいるじゃないか」
慣れているじゃないか。
何が彼の過去にあったか知らないが、そんなもの、いらない。
男たちにつぶやいた市ノ瀬の言葉は聞こえなかったようだったが、伊波の耳には届いたらしい。彼は顔をうつむけて、床をじっと見据え、屈辱に耐えていた。いい顔をするな、そうだ、それが見たかったのだ。
だけど、自分の思っていた状況と違う。
なら、見る価値もない。
市ノ瀬は心底軽蔑した眼で伊波を一度にらみつけると、躊躇など一切見せず立ち上がり、部屋を出た。
彼がどうなろうが、知ったことではない。媚薬の効果はまだしばらく続くし、男たちは調子に乗っていた。知らない。というより、興味がない。あんなの見るくらいだったら、"あれ"の設計を進めていたほうがましだ。
ああ、自分に快楽を与えてくれる真理は、どこにある。
本当に。
世界なんて、死ね。
市ノ瀬は誰に向けるでもなく、つぶやいた。
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なんか葛たんがモブリンカーンされるだけの話になってしまった。
ちなみに、男どもをけしかけたのは久世なんじゃないかという裏側妄想。
市ノ瀬って白衣着てたっけ? サンダルみたいなのはいて、ぺったんぺったん歩いて欲しい。
っていうか市ノ瀬ってすぐL座り(体育座り)しそう。
かわいいな。(末期)
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