「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
↓にある二つのSSがあまりに痛いので、雪宮あきとさん(【夜闇に風花】)に6月の誕生日プレゼントとしていただいたSSをおいておきます!
まさかの海賊パロですよ! あの海賊パロですよ! どうする俺!
【感謝】 【感謝】 【感謝】 【感謝】
よし、これだ!
つ【感謝】
カードの選び方が人生だ。
ということで、素敵なSSを続きからどうぞ!
きっとはげ萌えますよ!
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あきと様からいただきましたSSです。
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迫り来る剣は、両の指では数え切れない程。それら1つ1つは倒すに容易かったのだが、如何せん数が多すぎた。
「たった1人に大仰だな」
高額の賞金首として自分が狙われていることは百も承知なのだが、それにしても多勢に無勢すぎやしないだろうか。
奇襲を仕掛けてきた商売敵の船員半分以上が自分を取り囲んでいるのを見て、葵は呆れ果てる。
こうまでしても、自分の首を取れない雑魚の集まりだ。面倒臭い事この上ない。
しかもおかげで彼と離れてしまった。同じ船上にいることは間違いないのだが、姿が見えず気分が一気に下降する。
(ま、あいつなら大丈夫だろ)
大声を上げ突進してきた先頭の2人をかわすと同時に切り伏せ、その直後右から襲い掛かってきた男の懐に入り心臓部を貫いた。脱力した男の体を蹴りつけ、その反動を利用し愛刀を引き抜く。完全に避けたつもりだったが、袖に返り血がかかってしまった。
ああ、後であいつに怒られるかも。
目前の敵を確実に仕留めつつ、心中でぼんやりと呟いた。
その刹那、トンと背中に人が当たる感触がして、浮ついた意識が突如現実に引き戻された。
「っ!」
脳が指令を出すよりも早く、とっさに身体が相手から距離を取りサーベルを構えた。格下の相手ばかりとはいえ、油断していた己に思わず舌打ちする。
しかし、衝突した相手が敵ではなく良く見知った件の漆黒の元軍人だと分かると、緊張していた肩の力が僅かに抜けた。
「なんだ、葛じゃ…」
ところが次の瞬間、彼は険しい表情を崩さず刀を左手に持ち替え、流れるような動作で短銃を抜いた。標準を自分に向け、真っ直ぐに定める。
否。正確には自分の背後に、だった。
1発の銃声と共に、ぎゃあっという悲鳴が背後から聞こえた。驚き振り向くと、屈強な男が喉仏を真っ赤に潰され、絶命している姿が目に入る。
「背後がガラ空きだぞ」
「…悪い」
何時もと変わらない鋭い視線と叱責が飛ばされたが、その直後、まるで当たり前であるかのように自然と自分の背中に彼の背が重なった。そんな彼の行為に、驚きと共に嬉しさがこみ上げる。
背中を預けるということは、同時に相手の背を預かるということだ。彼が自分を信頼してくれているという事実に、葵はどうしようもない高揚を感じていた。
一歩右に踏み出した背後の彼に動きに合わせながら、今度は左からの刺客に狙いをつける。彼に返り血がかからないよう仕方なく、双眸を潰すだけに留めてやった。
「でも、」
光を失い、痛みに悶絶する男の醜い絶叫を強制的に終了させる。
ちらりと後ろを見やれば、言葉の続きを待つ怪訝そうな彼の顔。
「俺の背中は、お前が守ってくれるんだろ?葛」
「…ふん」
にやりと不敵な笑みを浮かべた葵に、葛がまんざらでも無い様子で、彼なりの是を返す。表情は見えずとも、声を聞くだけでいつも通りの仏頂面がありありと目に浮かんでしまい、葵は苦笑した。
「怪我、するなよ?」
「誰に向かって言っている」
「そりゃ失礼しました」
「貴様こそ、へまをしたら承知しないぞ」
「りょーかい!」
まるで1つの生き物であるかのように、2人は呼吸を、心拍を共有し呼応する。
周りを囲む敵が、怒声を発しながら一斉に襲いかかって来るのを合図に、2人は同時に地を蹴った。
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こういうさぁ、お互いさぁ、思いあってる葵と葛? みたいな? を書けるっていいですよね・・・・・・。(遠い目)
葛かっこいいよ葛 そして葵は結婚して。
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