「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
こんばんみー! 夜襲12話まであと1時間・・・・・・だぜ・・・・・・?
プロット考えて「これはいける!」と思ったはいいものの、いざやってみたら NA N ZA N どころの騒ぎではなく、逆子だよもういいよ帝王切開だよ的力技でねじ伏せたブツを置いておきます。
長くなったので、きりのいいところで4つに分けてみました。
触らないという形の愛のお話、とかね! 言ってみたりしてね!
えっと、葵x葛です。
また病んでる葛たんだよ! なかつはそれしか書けないのかってね! そうだよ! 清清しいほどに病んでるキャラ大好きなんだよ!
にゃはははは。
あっ、ちなみにモブリンカーンな感じなので、苦手な方はご遠慮くださいね。っていっても、そういうエロ的描写はないんですけどね。葛たんを喘がせるのは難しかった・・・・・・私、エロ、書けない。(考えるのは非常に得意です)
みんなが10話の葛たんを見て、「あれは士官学校で何もないわけがない」とか言うから・・・・・・。
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"触れた指の先にある熱は"
気管が音をたてる。
三人だか、四人だか。途中から増えたかもしれないし、抜けた奴もあったかもしれない。はっきりしないのは、今が俗に言う夜で、部屋には電気がついていないこと、意識が朦朧として現実認識が上手く行われていないことに起因する。跪かされた格好で暗い中にいては、目の前にいる相手の顔もよく見えない。周りの人間の悪意が、蠢いているのがわかるだけだ。
疲れて床に向いていた顔をあげさせられた。口の中に無理矢理突っ込まれる。それが何であるのか考える回路はとうに自ら切った。舐めろと声が降ってきたのでその通りにした。最初は抵抗していたが、殴られて非常に痛い思いをしたうえに、次の日の訓練に支障が出たので、やめた。痛いだけならよかった。ただ、学業に影響するのが嫌だった。おとなしく言うことを聞いた方が暴力の量は減るだろう。その憶測は当たっていたが、相手が少し調子に乗ったのはいただけなかった。だが、学校の授業に支障が出ないだけよかった。この考えは、間違っているだろうか。プライドよりも成績を優先したこの、思考回路は。間違っていたとしても、他人にそれを責める権利はない。ただ、軽蔑の視線を向けられるだけだ。それだけなら、いい。自分が信じた道を歩いていけるならば、誰かに軽蔑されても構わない。
聞こえてくるのは水音ばかりである。それを発生させている自分の舌に、嫌悪感。
背後に人の気配がして、がしりと肩を摑まれる。驚いた気はなかったのだが、肩が僅かに跳ねた。乱暴な感触。耳元に誰かの荒い息がかかる。その中に、ざらついた言葉が混じる。随分うまくなったね、とそいつは言った。その意味に叫んで壊して狂ってしまいたくなったが、行為を続けた。背中にたった鳥肌だけが、動揺を表していた。同時に、口の中に元来ならば尊い目的を持つはずの液体が吐き出された。命と直結するようなそれに、口の中を犯される。案外奥のほうまで入ってむせそうになった。堪えて、飲み込む。はじめは吐き出していたが、やはり暴力を振るわれたのでそうしている。一人一人ならばきっと勝てるはずだ。いや、勝てると断言していい。だが複数で来られるとさすがにさばききれない。自分の未熟さに苛立ちがつのる。
相手が離れたので、何回か咳き込んで呼吸を整える。と、後ろにいた男が半開きだった口の中に指を突っ込んできた。予想外の行動にびくりと体を震わせると、もう片方の手で頭をつかまれて、後ろに押し倒された。床に頭を打ち付けて、くらくらと意識が一瞬揺らぐ。今のところで意識を失ってしまえば、楽だっただろうか。目覚めたときにはもう終わっている。そんな、夢みたいな展開が待っていただろうか。多分、彼らだったら力尽くで起こすのだろう。彼らは気に食わないからこういうことをするのだ。確か、生意気だと言っていたのだ。生意気な奴が、自分たちに恐れをなして好きにさせられている。そういう光景が見たいのだと思う。
ふと、顔を横に向けて指先を見る。
――嗚呼、この景色は。
何にも触れていない指先が。
懐かしいな。
体を這う手の感触に、寒気を覚える。
そうだ、あの時の相手は誰だった? 今のように、暗くて顔が見えなかっただろうか。だが、知っている人物であることに間違いはない。もしかしたら、今、授業を受けているうちの誰かかもしれない。何と言われて部屋に行ったのだったか。石原さんに会わせてあげるから、というような言葉だった気がする。今思えば自分のようなただの子どもが、彼に会えるわけないのだ。あの頃の自分は浅はかであったから、彼の言葉を信じてついていったのだ。腕を摑まれて、足早に部屋へ連れて行かれた。食い込むように強く掴まれたあの感触だけは、いまだに覚えている。あの時感じた、彼から伝わる重い気持ちが、悪意というものだったのだろうか。部屋には誰もいなかった。そしてそこで弄ばれた。その行為の意味も知らぬまま、ただ呆然としていた。その時、今と同じように顔を横に向けて、自分の指先を見た。何も握っていないその指を。何の感動もなく。
体に感じる指の動きは、あの時と同じだ。
あの頃から何も、変わっていないのか。
何年も経ったのに、何故自分は。
こうして、傷ついてばかりなのだろう。
体にも、心にも。
どうして、触れる他人は傷ばかり残していくのだろう。
誰かが触れるということは、そういうことなのだろうか。
人間は傷つけあいながら、生きていくしかないのだろうか。
目が覚めた。
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