夜光に口付け お口直し 忍者ブログ
「植木に口付け」・夜襲期間限定ブログ
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お口直しが必要ですね!
ですよね! そうですよね!(完全に深夜テンション)

ということで、オフ友達の香月さん(@kaduki617)からもらった、すてきなすてきな葵葛SSをここに置かせていただきます。
ありがとう! 萌えた! つまりそういうことだ!(落ち着いて)
こんなに純粋な葵葛、あたしの心には既にないよ! こういうことだよ!

あ、やばい、このテンション、ひかれるパターンじゃね?

つづきからどうぞ!!!!
(10 5.23 脱字一箇所訂正)

あ、bkm一件増えました!


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 ――あいつを理解できる時など来ない。
 これは葛が葵に対して常々思うことである。今だってそうだ。
「包子、食うか?」
 にかっと笑って差し出された包子を一瞥して、いらん、と告げる。
そうすると彼はきょとんとした顔をして、差し出したそれを食べ た。旨いから食えばいいのに、などと言いながら。以前ならここで一悶着あってもおかしくなかった。最近では、そうするのを諦 めたのだろうか。では、何故自分に構うのか、それがわからない。気が合わないことくらいわかっているだろうに。自分と彼は 全く正反対の位置に立っているのだろう。性格も考えも行動も全て。未だにこうして同じ仕事をしあまつさえ同じ家に住んでいることが信 じられない。
「――ぃ、おい、葛?」
「……あぁ、なんだ?」
「なぁに、ボケッとしてるんだよ?」
 考えごとをしていたせいで呼びかけられていることに気付かなかった。葵が怪訝そうな顔をしてこちらを見ている。持っていたはずの 包子はいつの間にか消えていた。
「いや、何でも――」
 ない、と続けようとした言葉は霧散した。顔に影がかかる。何故目の前に葵の顔があるのか。何故――?
「んー、熱はねぇよなぁ……」
 ゆっくりと顔が離れていく。あぁ、残念だ。……残念?何故そんなことを思うんだ?
「何故こんなことを……?」
 混乱した頭でやっと口に出せたのは、そんな言葉だった。
「何故って、熱計るなら額だろ?」
 さも当たり前だというように彼は答える。眉間に皺が寄った。
「疲れてんのか? だったらとっとと寝とけって」
 腕が伸びてきて、指が頬骨を撫でる。自然と片頬を包まれる形になった。その感覚がやけに心地良い。
「あぁ、そうさせてもらおう」
 その熱に誘われるように目を瞑って是を返す。ふと、熱が離れた。
 目を開けると、葵がひどく狼狽していた。顔がなんとなく赤い。
「どうした?」
「……いや、何でもねぇ。俺は店番してるから」
 そう言うと足早に部屋を出て行った。そういえば視線が合わなかった気がする。
「なんなんだ、一体……」
 些か乱暴に閉められた扉を眺めながら、そう、ぽつりと呟いた。


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thanks Ms.香月

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